『しましまのふくの しまくん』

あるまちの はずれに、ちいさな たんすの いえが ありました。

そこに すんでいたのは、あおと しろの しましまのふく。

みんなからは「しまくん」と よばれていました。

しまくんは じぶんの しましまが だいすきでした。

でも、こころの どこかで すこしだけ かなしくなることも ありました。

「ぼくって、めだちすぎかな……。

 まっしろな シャツみたいに さっぱり してないし、

 まっくろな コートみたいに かっこよくも ないし……」

あるひ、しまくんは かぜに さそわれて、まちへ おさんぽに いきました。

はなやさんの まえで、あかい マフラーが いいました。

「あなたの しましま、えがお みたいで あったかいわね」

こうえんでは、きいろい ぼうしが いいました。

「きみを みてると、なんだか げんきが でるよ!」

しまくんの しましまが、すこし ぴかっと ひかりました。

でも そのとき――

そらが くもって、つめたい あめが ふりはじめました。

ぶるぶる ふるえていたのは、ちいさな こどもようの うすい シャツ。

ぬれて いろも うすく なっていました。

しまくんは すこし まよってから、そっと まえに でました。

「ぼくの しましま、つかって いいよ」

しまくんは シャツを つつむように そばに たち、

しましまの あいだに かぜを ふせぐ かべを つくりました。

すると――

シャツの いろが もどり、えがおも もどりました。

「ありがとう! あったかい!」

あめが やんで、にじが でました。

その にじは、なぜか しまくんの しましまに よく にていました。

そのひ いらい、しまくんは しりました。

しましまは、めだつ ためじゃなくて、

だれかを あたためる ために あるんだ って。

それから しまくんは、まちの いろんな ばしょへ でかけていきました。

さむい ひとも、かなしい ひとも、

しましまを みると すこし ほっと するように なりました。

よる、たんすの いえに もどった しまくんは、

じぶんの しましまを そっと なでて いいました。

「きょうも いい しましま だったな」

つきは やさしく ひかり、

しまくんの しましまも、しずかに きらきら していました。

――おしまい――

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