
🟦超長期糖質制限の“落とし穴”──なぜ今、太りやすく、痩せなくなったのか?
✅📌耐糖能とは何か?なぜ「糖に弱くなる」のか?
耐糖能(Glucose Tolerance)=血糖を一定に保つ能力
糖質制限を長期にわたって行うと、以下のような変化が起こります:
経年変化 | 体内で起こること |
1〜5年目 | インスリン分泌の頻度が減り、β細胞の機能が低下しはじめる |
5〜10年目 | 筋肉の糖取り込み能力が低下、肝臓に脂肪が蓄積(NAFLD) |
10年以上 | 糖に“過敏”な身体=耐糖能低下状態へ食後高血糖&インスリン過剰反応が起こりやすい |
📌長年、糖質を“敵”として避けた結果、糖を処理する能力そのものが退化してしまうのです。
🟦脂肪肝と耐糖能低下の密接な関係
✅📌「糖質を避けていたのに脂肪肝?」その仕組みとは
糖質制限中は、肝臓が次のような“仕事”を強いられます:
状態 | 肝臓の働き | 結果 |
糖質制限 | 脂質代謝・ケトン生成に総力投入 | 中性脂肪が肝臓に蓄積 |
高脂質食 | 過剰な脂が処理しきれず肝に残存 | 肝臓のインスリン抵抗性が悪化 |
📌つまり、糖質を減らしても、脂肪を摂りすぎると“痩せ型脂肪肝”が進行するのです。
🟦10年〜30年の糖質制限後の体を「リカバリー」するには?
✅📌焦りは禁物。リカバリーは段階的な“再教育”プロセス
🟦【フェーズ1:糖と肝臓の再教育期】(1〜2ヶ月)
ゴール | 内容 |
インスリン分泌を再学習させる | 芋・果物・オートミールなど低GL炭水化物を1日1食に導入 |
肝臓への脂肪蓄積を抑える | オイル・チーズ・アボカド・ナッツ類の摂取制限 |
📌重要なのは、「糖質を戻す前に脂質を引く」こと
→ 脂肪肝が悪化しないように、肝臓にかかる負荷を最小限に。
🟦【フェーズ2:筋肉と代謝の回復期】(3〜5ヶ月)
ゴール | 内容 |
糖を受け止める筋肉を再育成 | 週2回のスクワット・ウォーキング、タンパク質1.2〜1.5g/kg |
糖代謝酵素の再活性化 | 朝食に糖質(おかゆ、全粒パン+果物)を組み込む |
肝機能回復 | コリン・ビタミンE・マグネシウムを多めに(卵、ナッツ、緑黄色野菜) |
📌筋肉と肝臓は“糖の貯蔵庫”です。ここを強化すれば、耐糖能が復活し始めます。
🟦【フェーズ3:インスリン感受性の最適化期】(6〜9ヶ月)
ゴール | 内容 |
リバウンドしない糖代謝体質を構築 | 糖質3食・脂質抑えめの地中海式食生活へ |
血糖スパイクを抑制 | 食物繊維とビネガー(酢)で糖吸収を緩やかに |
空腹時血糖・γ-GTPなど肝機能の正常化 | 血液検査でモニタリング。ALT 30未満、γ-GTP 50未満を目指す |
🟦【フェーズ4:本格的な体脂肪燃焼期】(10ヶ月以降)
ゴール | 内容 |
脂肪肝改善+体脂肪率適正化 | ゆるいPFCコントロールで“脂肪だけ”を落とす |
再糖質制限しない | 再び糖を制限すると、同じ耐糖能低下が再発する |
食行動の安定化 | ルーティン化:毎朝同じ糖質+たんぱく質メニューなど |
🟦💡補助アイテムとサプリメント(状況に応じて)
アイテム | 効果 | 備考 |
ベルベリン | インスリン感受性改善 食前に500mg。 | 肝臓にも良い効果がある研究あり(※) |
NAC(N-アセチルシステイン) | グルタチオン合成促進、肝保護 | 600mg/日程度を目安に |
クルクミン* | 抗炎症、NAFLD改善 | スパイスでもOK、吸収率は低め |
αリポ酸 | ミトコンドリア代謝活性化 | 低血糖に注意して使用を |
※参考研究:Berberine improves insulin resistance and hepatic steatosis in NAFLD patients. (J Hepatol, 2008)
*クルクミンは鉄分の含有量が多く、肝機能低下している方は貯留しやすいため、方が取り過ぎると鉄過剰で肝機能がさらに悪化することがあります。医師に確認してから
🟦まとめ|10年超の糖質制限後でも、耐糖能と健康体型は「戻せる」
✅📌大切なのは、「段階的に糖を戻し、脂肪肝と筋肉を回復」させること
⛔ 糖質を急に戻すだけでは
→ 血糖スパイクで脂肪肝・インスリン抵抗性悪化させてしまう
🌟ですので、この順路で進めていきましょう!
↓・糖質の種類とタイミングを選び
↓・脂質量をコントロール
↓・筋トレを開始してリカバリーをしていきましょう



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