前回は、第2話【2025年版】マーガリンは“食べるプラスチック”なのか?|進化と誤解を解く、消費者目線の完全ガイドでした
第2話では、パーム油についての解説です
🟦パーム油は悪くないけれど品質の見極めは大事
❌1. 飽和脂肪酸の多さと有害物質を発生させる商品の選択が必要
- パーム油は約50%が飽和脂肪酸(主にパルミチン酸)で構成されており、過剰摂取でLDLコレステロール(悪玉)を増加させる可能性があります。
- 特に、精製度が低く酸化しやすい粗悪なパーム油は、加熱調理で有害物質(アクロレインなど)を発生させるリスクも。
❌2. 酸化防止剤BHA・BHTの添加
- 長距離輸送中の酸化を防ぐため、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)やBHT(ブチルヒドロキシトルエン)が添加されることがあります。
- BHAは1998年の日本食品衛生調査会でラットに対する発がん性が確認されており、人間への影響も懸念されています A B。
❌3. トランス脂肪酸の生成
- 一部のパーム油は水素添加処理によってトランス脂肪酸が生成されることがあります。
- WHOはトランス脂肪酸の摂取を総エネルギーの1%未満に抑えるよう勧告しており、加工食品に使われるパーム油は摂取量の注意が必要です A。
🕰️背景:なぜ“悪い成分”のパーム油が流通してきたのか?
📦1980年代〜:マーガリンの代替として急拡大
- トランス脂肪酸が健康リスクとして注目され、代替油としてパーム油が急速に採用されました C。
- しかし、精製技術が未熟なまま大量生産された粗悪な油が市場に流通し、健康リスクが見過ごされることに。
🚢輸出・流通の都合
- インドネシアやマレーシアからの長距離輸送では、酸化防止剤の添加が義務化されている場合もあり、日本ではBHAの使用が例外的に認められています A B。
- 消費者には成分表示で「植物油脂」としか書かれず、何の油か分からないまま摂取しているケースが多い。
🛒「悪くないパーム油」の見分け方と安全な商品・企業
✅成分面で安全なパーム油の特徴
特徴 | 内容 |
RSPO認証取得 | 環境・人権・製造工程に配慮された油のみ使用 |
化学溶剤不使用 | BHA・BHTなどの添加物を使わず、加熱蒸留のみ |
トランス脂肪酸ゼロ | 水素添加処理を行わない製法を採用 |
原産地・製法の開示 | 企業が製造工程を公開している |
🏷️安全な商品・企業例(2025年時点)
企業名 | 商品例 | 安全性の根拠 |
サラヤ | ヤシノミ洗剤シリーズ | RSPO認証100%、B&Cモデル採用 A |
資生堂 | 一部スキンケア製品 | RSPO認証取得済、2026年までにMB以上へ移行 A |
花王 | アタックZEROなど | インドネシア小農家支援 |
「SMILE」プログラム展開 A | ethique | 固形シャンプー・洗剤 パーム油完全不使用、オランウータン・アライアンス認定 B |
🧭まとめ:成分の“質”こそが、パーム油の本当の分かれ道
パーム油は「悪い油」ではなく、“どう作られ、どう使われるか”がすべてです。
環境だけでなく、成分面でも安全性を見極める力が、これからの消費者には求められます🌿
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