🟦基本の定義と違い
✅ PDRN(Polydeoxyribonucleotide)とは
- 「ポリデオキシリボヌクレオチド」の略称で、比較的短めのDNA断片(デオキシリボヌクレオチド鎖)からなるバイオポリマー。
- 元来は創傷治癒、潰瘍治療、血管・組織再生など医療用途で使われてきた。
- 製品によっては美容医療(肌の若返り、皮膚再生、注入治療)用途に応用されている。
✅ PN(Polynucleotide)とは
- 「ポリヌクレオチド」の略称で、PDRNを含むより広義のヌクレオチド鎖(DNAまたはRNA由来)を指すことが多い。
- PNという用語では「分子量が大きめ/長鎖である」DNA鎖・または構造的特徴が異なるヌクレオチド製剤を指す報告もあります。
📌 違い(報告されているもの)
- 分子量・鎖長が異なる:PNの方が「長鎖/高分子量」という報告あり。
- 用途・作用のニュアンスが少し異なる:PDRNは「組織再生・治癒促進」に重点がある報告、PNは「構造的支援」「皮膚基盤改変」など広めの用途の報告あり。
- 商業製剤・製品としての展開や規制の状況がそれぞれ異なっており、PNのエビデンスは若干PDRNに比べ浅めという指摘もあります。
🟦作用機序・生理学的な働き
✅PDRNの主な作用機序
- PDRNは、体内でヌクレオチド/ヌクレオシドに分解され、その中の「アデノシン」などを介して アデノシン A2A 受容体(A2AR) を活性化するというメカニズムが多く報告されています。
- A2AR活性化を通じて、以下のような反応が起こると報告されています:
- 線維芽細胞(fibroblast)の増殖促進・コラーゲン合成促進。
- 血管内皮増殖因子(VEGF)などを介した血管新生促進。
- 抗炎症作用(例えば、TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインの低下)および傷害組織の再上皮化促進。
- また、ヌクレオチド供給(DNAサルベージパスウェイ)として、細胞の修復に必要な核酸材料を“補う”可能性も示唆されています。
✅PNの主な作用機序(報告されている範囲で)
- PNは長鎖ポリヌクレオチドとして、細胞外マトリックス(ECM)改変や構造的支援としての働きが報告されています。例えば、「高分子量ポリヌクレオチドが皮膚の支持構造となる」など。
- また、PNもまた線維芽細胞刺激、コラーゲン・エラスチン合成促進、皮膚弾力性改善、抗炎症作用などの効果が報告されています。
- ただし、PNの「どのような鎖長・製剤がどのように働くか」「標準化された作用機序」は、PDRNに比べて明確な報告数が少ない部分があります。
次回は
連載2回目で、今回の続きです
ぜひご覧ください!



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