🧩[連載・第1回] 機能不全家族とは何か? その見えにくい正体と影響

心と体のセルフケア

🟦「家族なのに安心できない」——それが“機能不全家族”

✅ 機能不全家族とは?

📌「機能不全家族(Dysfunctional Family)」とは、家庭内における基本的な信頼・尊重・サポート・コミュニケーションといった機能がうまく機能していない家族のこと。

📌外見上は“普通”に見えても、内部は支配・沈黙・過干渉・無関心・暴言・暴力・責任転嫁・感情抑圧などが潜んでいることが多い。

✅ 代表的な特徴例

• 愛着の不安定さ(親の顔色を伺って生きてきた)

• 子どもが“親の世話”をしていた(親子逆転)

• 家庭内の問題が「無かったこと」にされる

• ネグレクト・過干渉・暴力・性的虐待などが日常にある

• 感情の共有・共感がない/許されない

• 完璧主義・役割の強制(長女だから〜、弟の面倒をみるのはあなた)

📌あなたが「家にいても安心できなかった」「怒られるから黙っていた」「何もしてないのに罪悪感がある」と感じるなら、それは“家庭”という名の不安定な場所にいた可能性があります。

🟦身体と心に現れる“機能不全家族育ち”の影響

✅ 代表的な心理的・身体的症状

• 自己否定、過剰な罪悪感・恥の感覚
• 愛着障害

▶️乳幼児期に特定の養育者(母親・父親など)との愛着形成がうまくいかず問題を抱えている状態のこと

• 対人関係の過剰な緊張
• うつ・不安障害・PTSD・解離性障害
• 摂食障害、依存症(アルコール、買い物、性など)
• ADHDやASDと見分けがつきづらい混在症状
• 境界性パーソナリティ障害との関連も指摘される

▶️一人の人間に複数の人格が存在し、それらの人格が交代で現れる状態を指します。ある人格が現れている時には、別の人格の時の記憶がないことが多く、日常生活に支障をきたすことがあります。

• 難治性の慢性疲労、原因不明の体調不良(機能性身体症状)

▶️難治性慢性疲労とは、一般的な疲労とは異なり、休養しても回復しない、日常生活に支障をきたすほどの重度の疲労が長期間続く状態を指します。

▶️機能性身体症状とは、検査をしても身体的な異常が見つからないにもかかわらず、身体的な症状が続く状態を指します。

📌根底にあるのは、「私はこの世界に歓迎されていない」「私は価値のない存在だ」という強い自己否定感。

📌“適応しすぎる”ことによって壊れていく「いい子」の病ともいえます。

🟦見えないトラウマは、認知に歪みをもたらす

✅ 👩筆者がAIとのやりとりから見えたもの

私がAIとの会話の中で「一つでもできてないと、私はダメな人間だ」と自分を裁いてしまうのは、認知の歪みの代表例である“全か無か思考(白黒思考)”なのだとAIは私に教えてくれました。
さらに驚くことに、私は無意識に日々何度となく自分出来ていないことを挙げては責めていました。

これは、機能不全家族育ちの人がとても高頻度で抱えているパターン

親から「完璧でないあなたは受け入れられない」と無意識に刷り込まれたまま、大人になっても“完璧な自分”を目指さずにはいられない。

📌認知行動療法(CBT)では、このような歪みを少しずつ緩め、「現実的で、やさしい思考」にリフレーミングしていく。

📌「できてないこと」にフォーカスするクセを、「今日できたこと」にも光を当てる練習へと導く。

🟦では、どう回復していくのか?(次回予告)

シリーズ第2回では、「なぜ「普通の家族」のように生きられないの?――機能不全家族育ちの私たちが抱える「生きづらさ」の本質と、回復の最初の一歩」をテーマにお届けします。

📚参考・出典 (PRを含みます)

中井 久夫(2013)『徴候・記憶・外傷』 単行本 – 2004/4/2   (著)みすず書房

スーザン・フォワード  (著), 玉置 悟  (翻訳)(2001)『毒になる親』講談社+α文庫

• 日本精神神経学会(2022)トラウマに関連する精神疾患に関する診断ガイドライン

大野 裕  (著)(2003)『こころが晴れるノート』創元社

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