🟦 なぜ、連鎖は繰り返されるのか
✅ 「気づかないまま育ててしまう」苦しみ
📌 子ども時代に機能不全な環境で育った人は、「それが当たり前」だと思い込んでしまいます。
怒りや支配、過干渉・無関心を「愛」と混同しているケースも少なくありません。
すると、知らず知らずのうちに、同じような関係性を子に対して繰り返してしまうのです。
✅ 「気づくこと」は痛みを伴うが、連鎖を断ち切る唯一の方法
📌 気づくことは、親を否定するようで怖いと感じる人もいます。
けれど、連鎖を止めるには、「自分がどんな傷を受け、どう影響されてきたか」に向き合うことが不可欠です。
それは“恨む”ことではなく、“理解する”こと。そして、あなた自身と、次世代を守ることにもつながります。
🟦 連鎖を断ち切る5つのステップ
✅ 1. トリガーに気づく
📌どんな場面で、自分が親のような反応をしているかを観察してみましょう。
たとえば、「子どもが思い通りに動かないとイライラする」「相手が黙ると不安になる」など。
✅ 2. 自分の感情を“ジャッジせず”受けとめる
📌 怒りや苛立ちが出たとき、「私はダメだ」と責めるのではなく、「ああ、私は今、○○と感じてるな」と受け止める。
感情を否定すると、余計にこじれます。まずは“ある”ものとして認めることが第一歩。
✅ 3. “インナーチャイルド”の存在を知る
📌 過去に満たされなかった自分(インナーチャイルド)が、今の自分に影響を与えています。
その子の「本当はこうしてほしかった」という声を聴いてあげてください。
例:「抱きしめてほしかった」「怒らずに見守ってほしかった」など。
✅ 4. 安全な関係性の中で“修正体験”を重ねる
📌 これまでの関係性では得られなかった安心感・信頼感を、信頼できる誰かとの関係の中で“再学習”する。
認知行動療法(CBT)やスキーマ療法、EMDRなどはこの過程に有効です。
✅ 5. 子育て・人間関係で“選び直す”
📌 自分が「こうだったからこうする」ではなく、「今この子に必要なのは何か?」「私はどんな人でいたいか?」を問い直してみる。
過去からの反応ではなく、“今ここ”での選択を意識することで、連鎖を少しずつ断ち切れます。
🟦 連鎖を断ち切るために、まず必要なこと
✅ 「完璧な親」や「正解の親像」を手放すこと
📌 機能不全家庭で育った人ほど、「ちゃんとした親にならなきゃ」「失敗できない」と思いがちです。
でも、連鎖を断ち切るのに“正しい親”になる必要はありません。
必要なのは、「自分と向き合うことをやめない親」「学びながら関係を育てる姿勢」だけです。
✅ 自分を育て直す(セルフ・リペアレンティング)
📌 子どものように傷ついたあなたを、あなた自身が世話していくことも大切なプロセスです。
それは、「愛されなかった自分」ではなく、「今、愛せるようになった自分」で生きるという選択でもあります。
🟦 まとめ:あなたが断ち切る、その勇気が新しい循環を生む
あなたが痛みに気づき、自分を責める代わりに向き合い続けることこそが、連鎖を断ち切る第一歩です。
「私はもう、同じようには生きない」と決めたその瞬間から、新しい物語が始まります。
🔖 次回予告(第5回)
「機能不全家族で育つと抱える生きづらさとは?」~精神的・身体的症状の背景にある共通パターンを丁寧に読み解く~
📚参考・出典
• 中井久夫『トラウマと癒し』(みすず書房)
• 吉本伊信『内観療法』
• Judith Herman (1992). Trauma and Recovery. https://www.basicbooks.com/titles/judith-l-lewis-herman/trauma-and-recovery/9780465061716/
• Young, J. E., Klosko, J. S., & Weishaar, M. E. (2003). Schema Therapy: A Practitioner’s Guide.
• 日本認知・行動療法学会公式サイト https://www.jacbt.jp/
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