🟨 [第2章]連載② 高コルチゾール・低ドーパミン回復期にやって良い運動/やってはいけない運動― 「動けば元気になる」は、いまは嘘になる ―

ホルモン

🟦 回復期の運動で一番やってはいけない勘違い

多くの人がこう思っています。
運動すれば
・ストレスが発散される
・ドーパミンが出る
・メンタルも体型も良くなる
これは健康な脳・神経が前提の話。

高コルチゾール・低ドーパミン状態
特に回復期に同じことをすると、真逆の結果になります。
・運動したのに疲労が抜けない
・やる気がさらに落ちる
・過食や無気力が悪化する

これは意志が弱いからではなく、
脳が「危険」と判断する運動をしているからです。

🟦 なぜ回復期は「運動の種類」が重要なのか

回復期の脳と神経は、例えるならこうです。

📌 火事のあと、まだ熱を持った建物
ここで必要なのは
・安全確認
・ゆっくり冷ますこと

決して
❌ 爆音で工事
❌ 人を大量に入れる
❌ 無理な再稼働
ではありません。

運動も同じで、
刺激の強さ・速さ・競争性が
そのままコルチゾール反応になります。

🟦 回復期に「やって良い運動」― 神経を回復させる運動 ―

✅ 共通点

良い運動には、明確な共通点があります。

観点特徴
心拍息が切れない
意識今ここに集中できる
終わった後疲労より「落ち着き」

✅ ウォーキング(最優先)

ただの散歩、されど散歩。

理由

  • 一定のリズム運動 → 迷走神経を刺激
  • コルチゾールを下げる
  • ドーパミンを「使わずに回復」させる

📌 ポイント
・音楽なし or 穏やかな音
・速さよりリズム
・30分未満でもOK

✅ ゆるい筋トレ(低負荷・高意識)

例:

・自重スクワット
・ヒップリフト
・マシンで軽め

理由

  • 「できた」という小さな成功体験
  • ドーパミンを消費しない報酬設計
  • コルチゾールが上がりにくい

📌 NGなのは
「限界まで追い込む」
「回数や重量への執着」

✅ ヨガ・ストレッチ・ピラティス(穏やか系)

理由

  • 呼吸と動きの同期 → 副交感神経優位
  • 身体感覚が戻る
  • 解離・過覚醒の鎮静

📌 「効かせる」より「感じる」が正解。

✅ 軽い水泳・水中ウォーク

理由

  • 水圧が自律神経を安定させる
  • 心拍が上がりにくい
  • 身体への入力が優しい

🟦 回復期に「やってはいけない運動」― コルチゾールを再燃させる運動 ―

❌ HIIT・全力系トレーニング

理由

  • 急激な心拍上昇
  • コルチゾールとアドレナリン大量放出
  • 回復途中の脳には「生命の危機」

終わった後に

「達成感」より「虚無・疲労・甘い物欲」が出るなら、完全にNG。

❌ 長時間ランニング・過度な有酸素

理由

  • 長時間=持続ストレス
  • ドーパミンを作るより消耗が勝つ
  • 低血糖 → コルチゾール上昇

「痩せるため」にやるほど、痩せにくいホルモン状態になります。

❌ 競争・記録・比較が絡む運動

例:

・他人と比べる
・SNSに上げる前提
・数字で一喜一憂

理由

  • 報酬系を刺激しすぎる
  • ドーパミンの“前借り”
  • 翌日以降の無気力につながる

🟦 判断基準は「運動後の2時間」

回復期に正しいかどうかは、
運動中ではなく運動後で決まります。

運動後判定
落ち着く
眠くなる
食欲が穏やか
逆に不安
甘いものが止まらない
何もしたくなくなる

🟦 回復期の運動で最も大切な考え方

📌 運動は「体力をつけるもの」ではない
📌 神経を安全に戻すための手段

いまは

「頑張れる体を作る」時期ではなく
「頑張らなくていい体に戻す」時期。

🟦 まとめ― 動かない勇気も、回復の一部 ―

高コルチゾール・低ドーパミン回復期において、
最も危険なのは
「できる人のやり方を真似すること」

私たちの体は、
すでに十分すぎるほど頑張ってきました。
いま必要なのは

✔ 刺激を足すこと
✔ 追い込むこと

ではなく
安全
一定
予測できる動き
です。

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