MCTオイルは「魔法の油」とも呼ばれ、ダイエットや脳機能のサポートなどで注目を集めています。しかし、すべての人にとって万能というわけではありません。この記事では、MCTオイルが合わない人や使用を控えるべきケースについて、世界中の研究や査読済み論文(A〜G)をもとに詳しく解説します。
🟦そもそもMCTオイルとは?
✅中鎖脂肪酸*の特徴
MCT(Medium Chain Triglycerides)オイルは、ココナッツやパームフルーツ由来の中鎖脂肪酸を主成分とする油です。一般的な油よりも消化吸収が早く、肝臓で直接代謝されてケトン体を生成するため、エネルギー効率が高いとされています A。
*中鎖脂肪酸については関連記事をご覧ください。
✅期待される効果
- ダイエットサポート
- 認知機能の改善
- 持久力向上
- 糖質制限中のエネルギー補給
🟦MCTオイルが合わない人の特徴
✅①消化器系*が敏感な人
MCTオイルは消化吸収が非常に早いため、小腸の浸透圧が急激に上昇し、腸内の水分量が増加します。その結果、腹痛や下痢を引き起こすことがあります A。
特にIBS(過敏性腸症候群)など消化器に持病がある人は注意が必要です。
*消化器系(器官)とは 口から肛門までの食事が通る器官と構成する組織と消化を促す酵素を分泌貯蔵する臓器のこと。
✅②脂質代謝に問題がある人
中鎖脂肪酸は一般的に血中脂質に影響しにくいとされていますが、体質によっては中性脂肪やLDLコレステロールが上昇するケースも報告されています A。脂質異常症の既往がある人は医師の指導のもとで使用すべきです。
✅③ココナッツアレルギーのある人
MCTオイルの原料はココナッツやパームフルーツ。ココナッツアレルギーを持つ人は、皮膚の発疹や呼吸器症状などのアレルギー反応を起こす可能性があります B。
✅④妊娠中・授乳中の人
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化し、消化器系も敏感になります。MCTオイルの摂取によって吐き気や胃痛を訴えるケースもあり、胎児への影響も不明なため、医師への相談が必須です C。
✅⑤肝機能障害のある人
MCTオイルは肝臓で直接代謝されるため、肝機能が低下している人には負担となる可能性があります。肝硬変患者においては、ケトーシスのリスクが高まることが報告されています D。
✅⑥1型糖尿病の人
1型糖尿病ではインスリン分泌が極端に低下しており、MCTオイルによるケトン体生成が過剰になると「ケトアシドーシス」という危険な状態に陥る可能性があります E。
🟦副作用として報告されている症状
✅消化器系の不快感
胃痛、吐き気、下痢などが代表的。特に空腹時の摂取や過剰摂取で起こりやすいです。
✅脂質異常症
中性脂肪やLDLコレステロールの上昇が報告されており、長期的な摂取には注意が必要です。
✅脂肪肝
未病の状態では肝機能改善に効果的とされますが、既に進行している脂肪肝の場合、MCTオイルの過剰摂取により脂肪肝が進行したという報告もあります F。
🟦安全に使うためのポイント
✅少量から始める
初めて使用する場合は、小さじ1杯程度からスタートし、体調を見ながら徐々に増やすのが理想です。
✅乳化して摂取する
コーヒーやスープに混ぜて乳化させることで、胃腸への刺激を軽減できます。
✅加熱調理はNG
MCTオイルは発煙点が低く、加熱すると有害物質が発生する可能性があります。
必ず非加熱で使用しましょう G。
🟦まとめ:万能ではないからこそ、慎重に
MCTオイルは確かに魅力的な健康食品ですが、体質や健康状態によっては逆効果になることもあります。自分に合っているかどうかを見極め、必要であれば医師や管理栄養士に相談することが大切です。
📚参考文献
A https://eiyougaku.net/mctoil/
A https://arc01.jp/food/mct-oil-disadvantages/
A https://blog.tenman.co.jp/non-match-people-with-mctoil/
B https://www.cotta.jp/tomorrow/column/?p=91
C https://www.onemile.jp/magazine/mct-oil-diet/
D https://www.nby.stylemap.co.jp/7623.html
E https://anotherwedding.co.jp/gohan/mct-oil-not-suitable/
F https://arc01.jp/food/mct-oil-disadvantages/
G https://kawashima-ya.jp/contents/?p=51032


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