🧬【連載第6回】「もう繰り返さない」機能不全家族の世代間連鎖を断ち切るために必要なこと~

心と体のセルフケア
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🟦 この記事でわかること

• なぜ機能不全家族は「連鎖」するのか

• 連鎖を断ち切るために必要な3つの柱(自己理解・自己受容・境界線)

• 実際のステップ:どうやって自分を守り、癒すのか

• 子どもや次の世代に苦しみを渡さないために

🟦 なぜ「連鎖」するのか:無意識の再演

機能不全家族の中で育った人は、知らず知らずのうちに親と似た言動をしてしまうことがあります。

それは、親を模倣しているのではなく、「自分を守る術」として幼少期に身につけた行動パターンが、大人になっても無意識のうちに繰り返されてしまうから。

📌 連鎖のメカニズム

• 親の過干渉・放任・暴言 → 子は「愛されるためには○○しなきゃ」と思い込む

• 子が親になったとき → 無意識に同じように振る舞ってしまう

• 新しい家族の中でも「安心感のない関係」が再現される

つまりこれは、「性格の問題」ではなく、安全を感じられなかった幼少期の名残なのです。

🟦 連鎖を断ち切る3つの柱

✅ 1. 自己理解

📌 何が自分に起こったのかを知る

「私はなぜ、人の顔色を伺ってしまうのか?」「なぜこんなに怒りが噴き出すのか?」

――これらは単なる気分ではなく、過去の体験による思考のクセ脳の防御反応です。

「自分の育ちを言語化すること」は、回復の第一歩です。

✅ 2. 自己受容

📌 「それでもよく頑張ってきた」と言ってあげる

生き延びるために身につけたクセや行動は、かつてのあなたを守るために必要だったもの。

今のあなたがそれを見つめ、「責める」のではなく「理解する」ことが、自分への慈しみを育ててくれます。

✅ 3. 境界線(バウンダリー)

📌 人との間に「健全な距離」を引く力

機能不全家族育ちの人は、「NOと言えない」「人の感情に巻き込まれやすい」「罪悪感で動いてしまう」など、境界線が曖昧になりがち。

境界線を学ぶことは、自分を守り、相手も尊重するための訓練です。

🟦 今すぐできる連鎖の断ち切りステップ

ステップ 内容 実践のヒント
Step 1 自分の歴史を振り返る 子どもの頃に我慢していたことを書き出す
Step 2 感情に名前をつける 「これは悲しみ」「これは怒り」と言葉にする
Step 3 無理な関係は距離を取る 「疲れる人」とはLINE頻度を見直す
Step 4 NOと言う練習をする 小さな場面から「今日は無理」を伝えてみる
Step 5 専門家の力を借りる 認知行動療法・カウンセリング・心理教育など
※相性が大切なので合わないと思ったら担当者を変更する

🟦 伝えたいこと:あなたの代で終わらせることができる

あなたが「おかしい」と感じたことは、間違いではありません。

その感覚は、次の世代に「健やかな愛情」を届ける準備でもあります。

連鎖は「気合」で止めるのではなく、「理解」「新しい選択肢」断ち切っていくものです。

🟦まとめ

• 機能不全家族の連鎖は「気づかないうちに」起きている

• 自己理解・自己受容・境界線という3本柱が回復の土台

• 小さな一歩を積み重ねることで、自分と未来の子どもを守れる

• あなたの代で、連鎖は終わらせられる

📚出典・参考文献

• 岡田尊司(2017)『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』光文社新書

• 信田さよ子(2008)『アダルト・チルドレンという言葉ではなく』日本評論社

• Pete Walker (2013) “Complex PTSD: From Surviving to Thriving”

• https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5672304/ (世代間トラウマに関する研究)

👩いかがでしたか

第7回では「機能不全家族育ちに起こりやすい身体的・精神的症状」を詳しく解説していく予定です。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見ご感想なんでもコメントいただけますと嬉しいです!
また次回お会いしましょう!

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