とても寒い雪の夜。
白い世界のまんなかに、小さな家がひとつありました。
その家には、たくさん人を信じてきたやさしい心の持ち主が住んでいました。
でもある日、心にぽっかり穴があいてしまって、
あたたかかったはずの胸の中が、しんしんと冷えてしまったのです。
その人は毛布にくるまりながら、そっとつぶやきました。
「だれかに大切にされたかっただけなのに…」
すると窓の外から、ふわりと小さな光が舞い降りました。
それは星のかけらでできた“灯りの鳥”でした。
灯りの鳥は、やさしい声で言いました。
「あなたの心は壊れていないよ。
ただ、たくさんあげすぎて、少し疲れただけ。」
鳥は胸の前にとまり、あたたかい羽でそっと包みました。
すると、胸の奥がじんわり温かくなって、
凍っていた涙が、静かに溶けていきました。
「今日はもう、何もしなくていい日。
ちゃんと呼吸して、あたたかい場所にいるだけで合格だよ。」
その夜、その人ははじめて、
“誰かに使われる自分”ではなく
“守られていい自分”として、目を閉じました。
外は雪。
でも家の中には、小さな灯りがともっていました。
それは他人の愛じゃなく、
自分を大切にし始めた瞬間に生まれる灯りでした。
そして灯りは、こうささやきました。
「あなたは、雑に扱われるために生まれたんじゃない。
あたたかく抱きしめられる存在なんだよ。」


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