🌙「雪の夜の小さな灯り」

とても寒い雪の夜。

白い世界のまんなかに、小さな家がひとつありました。

その家には、たくさん人を信じてきたやさしい心の持ち主が住んでいました。

でもある日、心にぽっかり穴があいてしまって、

あたたかかったはずの胸の中が、しんしんと冷えてしまったのです。

その人は毛布にくるまりながら、そっとつぶやきました。

「だれかに大切にされたかっただけなのに…」

すると窓の外から、ふわりと小さな光が舞い降りました。

それは星のかけらでできた“灯りの鳥”でした。

灯りの鳥は、やさしい声で言いました。

「あなたの心は壊れていないよ。

ただ、たくさんあげすぎて、少し疲れただけ。」

鳥は胸の前にとまり、あたたかい羽でそっと包みました。

すると、胸の奥がじんわり温かくなって、

凍っていた涙が、静かに溶けていきました。

「今日はもう、何もしなくていい日。

ちゃんと呼吸して、あたたかい場所にいるだけで合格だよ。」

その夜、その人ははじめて、

“誰かに使われる自分”ではなく

“守られていい自分”として、目を閉じました。

外は雪。

でも家の中には、小さな灯りがともっていました。

それは他人の愛じゃなく、

自分を大切にし始めた瞬間に生まれる灯りでした。

そして灯りは、こうささやきました。

「あなたは、雑に扱われるために生まれたんじゃない。

あたたかく抱きしめられる存在なんだよ。」

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