『今日は、ちゃんと呼吸した』

何もしていないのに、疲れる日がある。

布団から出ただけで、えらい。

シャワーを浴びただけで、十分。

そんな日は、だいたい「がんばらなきゃ」という言葉に、心が擦り切れている。

窓を少しだけ開けて、空気を入れ替える。

それだけで、世界はほんの一ミリやさしくなる。

今日、何も成し遂げていないかもしれない。

でも、ちゃんと生きている。

呼吸をして、目を開けて、時間の中に立っている。

それは、案外すごいことだ。

疲れた心は、励ましよりも「許可」を欲しがっている。

休んでいい。

立ち止まっていい。

泣いてもいい。

笑えない日があってもいい。

怠けているのではなく、

今はエネルギーを回復しているだけ。

夜は、何も生まなくていい時間。

結果も、答えも、未来の計画も、

明日に預けていい。

今の仕事は、

あたたかい飲み物を飲むこと。

目を閉じること。

「今日はここまで」と言うこと。

世界は、あなたが完璧じゃなくても回る。

でも、あなたが壊れてしまったら、

あなたの世界は止まってしまう。

だから今日は、

ちゃんと呼吸した自分を、

少しだけ誇ってほしい。

それだけで、十分な一日だ。

――おやすみなさい。

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